ヴィーガンまとめ・その光と闇

Twitterで論陣を張り、ネットをにぎわしている菜食主義の勢力ヴィーガンについてまとめてみました。

考えの根本

かれらが目指しているのは他者をできるだけ苦しめない生きかたです。

ここでいう他者は人間だけではなく動物も含まれます。

ほかに代替があるのだから動物を殺さずに食事をしようよ――そういった考えから菜食主義がでてきます。

殺生を禁じているわけではありません。

現実的にまったく生き物を殺さずに生きていくことは不可能だからです。それでもできることはあるはず、それが菜食主義だったわけです。

発展・派生・関係

  • ほぼかならず動物愛護の精神をもちます。
  • フェミニズムと関係することが多いです。他者への痛みがわかるからでしょう。
  • アンチナタリズム(反出生主義)と結びつくことが多いです。生きていれば気をつけていても誰かを苦しめる。菜食主義もある種妥協の産物です。生まれることはそれだけで罪ではないのかという、つきつめた発想が共通しています。

問題点

  •  自滅・自殺傾向があります。生きていることが罪であり、苦しみなので、そちらにむかうひとがいます。
  • 他殺傾向があります。肉食者は死んでしまえばいいという発言が見られます。生きているものはみな罪を犯している、という考えから他殺意識が芽ばえます。、またフェミニズムを同時にもっている場合に、男は滅びてしまえ、と考えるひとがいます。
  • 理論的で感情を軽視する傾向があります。知性主義的で知性あるものを優遇し他を排除する傾向があります。生命に関して鈍感で、植物の生命をうばうことになんのためらいも疑問ももたなくなるひとがいます。苦痛を感じない生き物が作りだされたらそれを殺して食べることになんの問題もないと考えるひともでてきました。また、ほかの意見を持つものに対して冷淡かつ冷酷です。

 

そのほか、ヴィーガンを考える上で大切なこと

それは善悪(倫理学)です。

ヴィーガンは悪いことをしたくないのです。

 

単純に「これは善」と考えてしまうこと、それは自然主義的誤謬という誤りだとジョージ・エドワード・ムーアという哲学者は批判しました。

善は根本的につきつめた定義ができません。すでにそう信じている善悪観を利用してでしか考えることができないのです。

 

では、ヴィーガンの善悪観はどこからでてきているのでしょう。

かれらが引用するのはサム・ハリスの主張です。その考えは要約すると、最悪の状態って苦しいってことじゃん、です。

じゃあ、だれかが苦痛を感じている状態は悪いってことだから、苦痛をあたえないようにしよう、というのがヴィーガンの善なのです。

 

ただし、サム・ハリスの考え方は、意識を持っている(苦痛を感じる)者限定の倫理になります。これを忘れるとヴィーガンの思想は破綻し狂気へいたります。